指定暴力団住吉会系組員らによる特殊詐欺事件をめぐり、茨城県内の被害者3人が住吉会の最高幹部を相手取り、総額約715万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、水戸地裁であった。
前田英子裁判長は最高幹部らの「使用者責任」を認め、実際に現金をだまし取られた2人に対して計605万円を支払うよう命じた。弁護団によると、特殊詐欺事件で暴力団トップの使用者責任を認めた判決は全国で初めてという。
判決によると、住吉会系暴力団組員=詐欺罪などで懲役4年の判決=ら計4人が2016年夏、親族を装って被害者の女性3人に電話し、うち2人から現金計500万円を詐取した。
前田裁判長は、これらの詐欺行為について、暴力団対策法が規定する使用者責任を問うことができる「暴力団の威力を利用した資金獲得活動」だと認め、住吉会の関功会長と福田晴瞭特別相談役に対し、被害者2人への賠償を命じた。