千葉県銚子沖で26日未明、貨物船が沈没した衝突事故では、沈んだ船内から船体をたたく音がし、捜索活動が続いている。
NPO法人「神奈川海難救助隊」(横浜市)の信田清治理事長(70)は「時間との闘いだろう」と話す。水深30メートル、真っ暗な船内での捜索は困難が予想されるといい「沈没から2日間が過ぎ、船内に生存者がいるのなら相当な恐怖を感じているはず。何とか気力を持ってもらえれば」と話す。
潜水医学に詳しい山見信夫医師(56)は、船内に空気がたまった空間があったとしても、酸欠状態になるのを心配する。また、生存者がいた場合、水深30メートルという高気圧の環境に長時間いることになり、海面に浮上した際に起こる「減圧症」のリスクもあるという。血中などに気泡が生じて血流が滞るなどして最悪死に至ることもある。
体がぬれていれば低体温症の恐れも高まる。「この時期は海水温がまだ低く、しかも海底。船内も相当寒いはずで、心配だ」(林幹益)