新元号「令和」ゆかりの地、福岡県太宰府市の楠田大蔵市長が10日、首相官邸を訪れ、安倍晋三首相、菅義偉官房長官と会談した。楠田市長は会談後、記者団に「令和」の経済効果が10億円を超えることを首相らに報告したことを明らかにした。
令和は、大宰府長官だった大伴旅人が開いた「梅花の宴」で詠まれた歌の序文が出典だ。楠田氏によると、4月1日の発表後に市内を訪れる観光客が例年の100倍ほどに急増。首相からは「もっと飛躍して、地方の時代にそのトップランナーとして頑張ってほしい」と激励されたという。首相と菅氏に太宰府市訪問も要請した楠田氏は「非常に関心を持っていただいた。いずれ、おいでいただけると確信している」と話した。
楠田氏はまた、菅氏が掲げた墨書とは異なるものの、令和の文字をデザインした同市のクリアファイルを首相らに持参。同席した原田義昭環境相は、かつて衆院福岡5区の議席を争ったライバルだが、この日はともに和やかに首相らと記念撮影に収まっていた。(吉川真布)