安倍晋三首相がイランを訪問し、12日夜にロハニ大統領と会談する。米国とイランが対立して地域の緊張が高まる中、トランプ米大統領の要請もあって訪問を決めた安倍晋三首相。決断の裏には、自身のイランへの思いもあった。
安倍首相、イランへ出発 「日本として役割果たす」
首相、トランプ氏要請でイランへ 中東緊張緩和担えるか
「イランだね」
2012年12月に第2次安倍政権が発足して間もなく、外務省幹部に「どこに行きたいですか」と聞かれた首相はこう即答したという。当時は「機が熟していない」と見送られたイラン訪問が12日、実現する。
日本の首相としては78年9月の福田赳夫氏以来41年ぶりだが、首相にとっては83年以来2度目の訪問だ。
首相の父、晋太郎氏は中曽根内閣で3年8カ月外相を務めた。最初に取り組んだのは「イラン・イラク戦争」の和平問題。両国の橋渡し役を担おうと83年8月、外務省内の反対を押し切って戦闘下のイランとイラクに自ら乗り込んだ。秘書官として父に仕えた首相はそれに同行した。
「レーガン米政権が制裁をかけ…