サウジアラビアを訪問中の河野太郎外相は28日、首都リヤドでムハンマド皇太子と会談した。ムハンマド氏は昨年10月にトルコの自国総領事館で起きたサウジ人記者殺害事件に関与した疑いが指摘されているが、日本外務省によると、河野氏は言及しなかったという。
サウジは記者殺害事件で国際社会から批判を受け、一部の西側諸国とは関係が悪化したままだ。ムハンマド氏は会談で、「日本は改革を進めるためにかぎとなるパートナーであり、協力を一層強化したい」と述べ、脱石油依存をめざし同国が進める経済改革への投資などに期待感を示した。
一方、河野氏は「支援する日本の姿勢は変わらない」と伝えた。河野氏は28日のサウジのアッサーフ外相との会談でも「サウジの司法当局の取り組みを日本は信頼している」と述べるなど、事件を問題視せず、サウジへの支援を続ける姿勢を強調した。(リヤド=清宮涼)