クラシック音楽をテーマにした人気漫画「のだめカンタービレ」に登場する名曲を聴く「のだめカンタービレの音楽会」が、6月下旬に100回目を迎える。愛知県春日井市から広がり、14年にわたって全国35都市で開催、延べ14万人以上を動員してきた。地方都市の公共ホールによる自主企画としては、異例のヒットになっている。
音楽会は、かすがい市民文化財団が企画し、財団と元NHK交響楽団首席オーボエ奏者で指揮者の茂木大輔さんが制作。テレビドラマの放送に先立つ2006年1月に春日井市で初演されると評判になり、東京や大阪、福岡など全国各地のホールで演奏されるようになった。
茂木さんは原作の熱烈なファン。書店で偶然、オーボエが丁寧に描かれた単行本の表紙に目を奪われ、手に取ったのがきっかけだった。「音楽の専門的な描写にうそがなく、正確で驚いた」。すぐに作者の二ノ宮知子さんに手紙を出し、意気投合。単行本やドラマ、映画などで、クラシック音楽の監修や俳優の演技指導を務めるようになった。
そんな茂木さんに音楽会の企画を持ち込んだのは、同じく原作のファンだった財団プロデューサーの小松淳子さん(44)だ。「単行本に登場する名曲が聴けるコンサートがあったら東京でも行ってみたいと思ったのが始まり」という。たまたま茂木さんのマネジャーと小松さんが、かつて大分県の公共ホールで一緒に働いていたことも幸いした。
音楽会では、漫画とオーケストラの融合を狙う。演奏中、オケのバックに漫画の名場面をスライドで映し出すのが好評だ。
実際に音楽会を聴いた作者の二…