名古屋市は26日、名古屋城木造天守の2022年末完成が延期される方向になったことを受け、現在開会中の市議会に提案していた関連補正予算案を取り下げると表明した。市によると、河村たかし市長が09年に就任して以来、市議会に提出した予算案を取り下げるのは初めて。
名古屋城天守の木造化問題を詳しく
取り下げるのは木造天守に使う木材の保管庫整備費を盛り込んだ補正予算案。名古屋城北側の名城公園南遊園に来年6月に完成させる予定で、整備費3億1700万円のうち400万円を計上していた。市は保管庫を造ることで、業者に頼んでいる木材の保管の料金が軽減できるとしていた。
だが26日の市議会経済水道委員会で、自民党の中川貴元議員が「(木造化の)めどが立たない中、市民の理解が得られるのか」などと議案の取り下げを要求した。市幹部は「市長に進言する」として審議が一時中断。河村市長が「いったん延期する趣旨で、議案を取り下げる」とのコメントを出した。
河村市長は委員会後に記者団の取材に応じ、「取り下げじゃなくて再提出。OKになると思っていたやつがもうちょっと待ってちょうと。それなら丁寧にやればいいんじゃないの」と述べた。(堀川勝元)