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93歳、四半世紀続けた一人芝居 俳優魂「命続く限り」

93歳の現役俳優、河東(かとう)けいさんが四半世紀にわたり続けてきた一人舞台「母―多喜二の母―」の最後の「公演」が30日、神戸市である。心揺さぶる声で観客を魅了してきたライフワークに、ひと区切りをつける。


河東さんは1925年、大阪生まれ。27歳で関西芸術座の旗揚げに参加し、その後、多くの舞台や、NHK連続テレビ小説「ウェルかめ」など人気ドラマに出演した。


なかでも93年から続けてきたのが、プロレタリア作家小林多喜二の母親を、三浦綾子が描いた小説「母」を原作とした一人芝居だ。夫に先立たれながら5人の子どもを育て、戦前の言論弾圧で拷問死した多喜二を見守り続けた母セキ。戦時下で青春時代を過ごした河東さんは、セキの生涯を通して反戦のメッセージを伝えてきた。


河東さんは80代になって、心臓の手術をしたり、足が悪くなったりしたが、「母」の舞台は、2015年から座って朗読する「ひとり語り」のかたちに変え、この3年ほどは月1回近くのペースで公演を継続してきた。


ただ、初演から「母」の公演をプロデュースしてきた神戸芝居カーニバル実行委員会事務局長の中島淳さん(79)によると、直近2回の公演から河東さんに異変が現れた。


「女優だから使うのはかっこ悪…


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