2014年9月の噴火災害で死者・行方不明者計63人を出した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の山頂登山が1日、解禁された。噴火後に規制されていた山頂登山は昨秋に2週間ほど解除されたが、全国的な山開きの7月1日に解除されるのは噴火以降、初めて。本格的な夏山シーズンを迎え、登山客らは早朝から主峰・剣ケ峰の頂を目指した。
この日、規制が解除されたのは長野県木曽町側にある登山道の9合目上部から剣ケ峰山頂までの約600メートル。午前9時半、同町職員が規制のロープを取り除くと、待ちかねた約50人のツアー客らが山頂を目指して出発。山頂付近では噴火災害の犠牲者らを悼み、手を合わせる人の姿も見られた。例年通り、10月16日まで登れる予定だ。
御嶽山は「日本百名山」の一つ。険しい岩場もなく、初心者でも登れる3千メートル峰として人気がある。日本山岳ガイド協会の磯野剛太理事長(65)は「今回の解除で、百名山や3千メートル峰登頂を目的とする登山者らのほか、御嶽講の信者たちも戻り、噴火以前のような人気の山になるだろう」と話す一方、「3千メートル級の高山なので、悪天に見舞われると低体温症になる危険がある。初心者は経験者や山岳ガイドらと一緒に登り、安全登山を心掛けてほしい」と注意を促している。(近藤幸夫)