ハガティ米駐日大使は2日、東京都内での佐々江賢一郎・前駐米大使との公開対談で、日米安保条約は「不公平だ」というトランプ大統領の発言について「米国ほど軍事支出をしない(日本など)多くの同盟国へのいら立ちを表明したのだと思う」と語った。
ハガティ氏は「日米安保は揺るぎない。大統領が言いたいのは、さらに強固にしたいということだ」とし、中国への対応を強調。「2000年から中国の軍事費は5倍以上になり、対応して米国防総省の予算も拡大した」と述べた。
米国の軍事費は国内総生産(GDP)の3%超なのに対し、「日本は1%近くだ」と指摘。「この地域には北朝鮮、ロシアもあり、日米がもっと仕事をせねばならない。大統領はよりしっかりとした軍事支出により、深化した連携をしたいのだ」と語った。
日米連携を深める他の手段として、①軍事支出への支援②すでに進行中の高度な技術へのアクセス③米軍と自衛隊の相互運用性の向上に言及。①は日本政府による在日米軍の駐留経費負担、②は米国からの武器購入を指すとみられ、今後議論になりそうだ。(編集委員・藤田直央)