梅雨空が広がるが、まもなく夏真っ盛りになる。海、川、プールなど、子どもたちの水辺での活動の事故を予防するための子ども安全セミナーが7日に東京都内で開かれた。ポイントは「沈まなければ、溺れない」「子どもは静かに溺れてしまう」。
セミナーは、神奈川県鎌倉市在住の吉川優子さん、豊さん夫妻が設立した吉川慎之介記念基金が主催。保育士や学校の教諭、保育士などを目指す学生、一般の母親ら34人が受講した。
夫妻は2012年7月、長男慎之介君(当時5歳)を、愛媛県西条市の幼稚園のお泊まり保育中の事故で亡くした。川での水遊び中に流された事故で、園側はライフジャケットなどの救命具を準備していなかった。
セミナーでは、国立精神・神経医療研究センターの井上健医師が「沈まなければ、溺れない」と強調した。当たり前のように聞こえる。だが、水に沈んでいる時間が5分を超えると、死亡したり、重度の障害が発生したりする率が50%を超えるというブラジルの医師の研究結果がある。いったん沈んでしまうと、短時間に引き上げなければ無事に助けるのは難しい。つまり、子どもを沈ませないことが最大の予防になる。
そのための方策として、井上医…