(3)ビジネス環境の最適化
外資は産業チェーンをはじめとするハード面を重視するが、ビジネス環境などのソフト面をより重視する。
中国のビジネス環境がどうかは、世界銀行のデータが最もよく物語る。
同データによると、中国ビジネス環境の総得点は2016年は63.1ポイントで、その後上昇を続けて現在77.9ポイントになり、世界ランキングは31位に躍進した。
ここ数年は、各地がビジネス環境の最適化に向けてさまざまな努力をしている。
4月には、上海が外資安定のための「24の措置」を打ち出し、その主な内容は投資円滑化レベルの向上、外資による投資の保護強化などだった。
少し前には蘇州市が「ビジネス環境最適化の革新的行動2020年」を発表し、こちらも法治と信用、スマート政務、企業サービスなどでより大きなブレークスルーを達成するために努力することが中核だ。
個別の海外移転ケースを見て慌てる必要はない
外資の投資が引き続き拡大するのが大きな流れだが、一部の企業が持ちこたえられず、中国から撤退したり海外へ移転したりすることもあり得る。
これは理解できることだ。
たとえばこれまで高効率の供給チェーンと低コストを重視してきた企業が、このたびの新型肺炎の打撃を受けて、供給チェーンの安全性をより重視するようになり、世界に複数の工場を建設して、エンドユーザーにより接近しようとするケースが考えられる。
また一部の企業が感染症の打撃を受けて、戦略を縮小し、撤退や移転を選ぶケースも考えられる。
こうした状況については、理性的に見ることが必要だ。
資本はみな利益を追いかけるもので、利益のためにやって来るし、利益のために出ていく。出ていこうとすれば、押しとどめることはできないし、個別の企業の撤退について大騒ぎしたり慌てふためいたりする必要はない。
今必要なことは、より大きな力を発揮して、外資系企業と中国企業のために、より開放的で、公平で、透明性のある投資の舞台を作り出すことだ。
中国には、改革開放が深化するのにともなって、外資を誘致する力がますます強くなっていると確信できる理由がある。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年5月12日