新型コロナウイルス感染症が効果的に抑制されたこと、夏休みの旅行シーズンに入ったことなど、好材料の影響を受けて、中国の観光業は今年初の回復ピークを迎えている。省を跨ぐ旅行が開放されたのにともない、各地は常態化された感染症の予防・抑制を前提として、特色あるさまざまな観光プログラムを積極的に打ち出し、観光市場を徐々に回復させている。中国新聞社が伝えた。
Qunar.Comビッグデータ研究院の蘭翔院長は、「現在、中国国内の民間航空業は昨年の9割の水準まで回復し、一部の人気路線は予約人数が前年同期を上回るほどだ。だが予約が増加しても航空券価格は上昇しておらず、一部の路線はエコノミークラスの価格が前年同期に比べて50%近く値下がりした。今年の夏休みシーズンの移動コストは過去約5年間で最低になるだろう」と述べた。
複数の観光路線で予約が昨年以上
蘭氏は、「痛みの時期、自力救済の時期を経て、中国民間航空業はU字型の回復曲線を描き、この夏休みシーズには2019年同期の9割の水準まで回復した。夏休みシーズンになり、Qunar.Comプラットフォームの航空券業務は前年同期の水準をすでに回復した」と述べた。
Qunar.Comのデータによれば、今年の夏休みは複数の人気路線の予約量が昨年を上回った。このうち杭州-広州路線は前年同期比43%増加し、広州-成都路線は同25%増加した。
中国民用航空局(民航局)のデータでは、7月から8月始めにかけて、中国航空、中国東方航空、中国南方航空などの5大航空会社の搭乗率はさらに上昇し、平均65-82%に達したという。
省を跨ぐ団体ツアーが復活したと同時に、中国各地もさまざまな措置を取り、文化観光市場の急速な回復を加速させている。貴州省、広東省、浙江省、厦門(アモイ)市など複数の地域で文化観光消費券が相次いで発行された。湖北省は「与愛同行恵遊湖北」(愛とともに行こう湖北恵みの旅)と題した観光イベントを打ち出し、同省のA級観光スポット400ヶ所近くの入場料を中国人観光客に対して無料にしている。
しかし旅行者数の増加が航空券価格の上昇にはつながっていない。Qunar.Comプラットフォームでは、杭州から広州へのフライトの平均価格は425.17元(1元は約15.3円)で同48%値下がりした。定番のビジネス路線の広州発・上海到着便の夏休みシーズン平均価格は543.12元で、こちらも同42%値下がりした。
蘭氏は、「今年の夏休みシーズンの移動コストは過去約5年間で最低になるだろう。例年のこのシーズンの片道料金で今年はほぼ往復できる」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年8月24日