世界に目を向けると、新型コロナウイルス感染症が蔓延し続けている地域がまだたくさんある。しかし今回中国で大型連休中に見られた全国的な「大移動」は国内の人々から大きな関心を呼んだだけでなく、海外メディアからも感染症期間の「中国の大旅行」に注目が集まった。
10月1日、米国のCNNが、「中国は新型肺炎を抑制した。現在、彼の地では数億人が同時にバケーションを楽しみ始めた」とした上で、「武漢は今や人気の国内旅行先になった。4月に封鎖が解除されてから、武漢は中国の人気観光都市となっている」と伝えた。
実際もその通りだった。国慶節(建国記念日、10月1日)の連休期間に、武漢市が受け入れた観光客数は延べ1817万5300人、観光収入は89億8400万元(1元は約15.8円)に上った。各地の観光地で観光客数が制限される中であるにもかかわらず、観光客数は前年の80.34%に、観光収入は同71.31%に達した。
黄鶴楼公園、武漢歓楽谷、武漢海昌極地海洋公園、東湖海洋世界、武漢マダムタッソー蝋人形館などの人気観光地の入場券は予約が始まるとすぐ完売した。市内の受け入れ観光客数が延べ10万人以上の観光地のうち、延べ20万人を超えたところが5ヶ所あった。
武漢市だけでなく、湖北省全体の観光市場が急速に回復している。中秋節(旧暦8月15日、今年は10月1日)と重なった今年の国慶節連休に、同省が受け入れた観光客は延べ5228万5900人で前年同期の82.74%まで回復し、観光総合収入は348億2900万元で同72.26%まで回復した。
8月8日に観光振興イベント「愛とともに行こう 湖北恵みの旅」がスタートすると、参加したA級観光地が受け入れた観光客数は延べ2550万6607人に上り、前年同期の167.78%に達した。
さまざまな観光プロジェクトの中で、武漢市が打ち出した江灘のライトアップ「心温まる中秋節 輝く私たちの中国」、黄鶴楼観光エリアのライトアップ「夜 黄鶴楼に上る」、曇華林の光のイベント「英雄たちの武漢 都市の光」には、大勢の観光客が訪れた。宜昌市は特色ある夜間観光プロジェクトを16件企画し、ダブル連休の観光のために「針先の三峡」、「夷陵の絵の中の村をそぞろ歩き」、「年末の三峡の風情を楽しむツアー」と題した世界遺産をめぐる3つの観光ルートを設定した。
湖北省と武漢市の観光は正常な状態に戻りつつある。このことは全国観光市場の勢いある発展の1つの典型であり、中国国内の経済社会の回復にとってさらなる安心材料になったと言えるだろう。
中国が努力して手にしたのは最も素晴らしい時代だ。そして感染症の予防・抑制が行われている今では、休日に旅行に出かけることが以前にも増して貴重なことになった。中秋節と重なった今年の国慶節連休期間に爆発的な勢いをみせた旅行人気と消費の活力は、中国国内経済の内部循環のポテンシャルを体現している。だがそれと同時に、科学的で効果のある常態化した防疫措置を着実に実施し、市場と消費者によりよい環境を提供しさえすれば、中国経済の全面的回復は遠からず実現することを十分に証明するものでもある。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月9日