日本の電通デジタルはこのほど、「中国EC市場ポテンシャルリサーチ」という新しいサービスを発表した。同サービスは、過去10年間近くにわる中国EC産業の商品や広告などのデータ・資料を分析し、日本企業による中国向け越境EC事業の展開をよりよく支援するというものだ。人民日報が伝えた。
新型コロナウイルス感染症の影響により、日本の多くの企業は製品のオフライン売上高が急速に減少した。苦境から脱するため、こうした企業は中国市場向けの越境EC事業を相次いで強化した。関連の日本企業の責任者が取材に対し、「中国市場のオンライン売上高が大幅に増加しており、日本企業の発展に極めて大きなチャンスを提供している」と語る。
日本の大手日用品メーカーの花王の広報責任者は、「花王は対中越境EC事業を絶えず開拓し、自社ブランドの多くの製品がなかなかの成果を上げている。また当社は中国消費市場の細分化、高度化という特徴に焦点を当てて、ECプラットフォームで持続的に新製品を打ち出している。今年4月から、越境EC直営店で『ビオレ泡ハンドソープ』を代表とする衛生用品を発売した。5月にはセルフケア製品の旗艦店をオープンし、家庭用衛生用品を中心に販売している。このほか、ショッピングイベント『618』や『ダブル11』(11月11日のネット通販イベント)などの大規模ショッピングイベントでライブコマースなどの販売モデルを利用し、中国の消費者を呼び込んでいる」と述べた。
今年に入ってから、日本の医薬品メーカーの小林製薬は、すでに進出した複数の中国ECサイトを十分に利用してライブコマースを展開する一方で、ショート動画プラットフォームで積極的に広告を流し、商品の知名度を上げようとしてきた。小林製薬(中国)有限公司市場本部の山上剛ディレクターは、「ほぼ毎日ライブコマースで当社の製品を販売している。配信パーソナリティはネットで人気の中国人パーソナリティがいれば、当社の社員もいる。そのために越境ECの担当者を置くことにした。中国市場は小林製薬にとって最も成長が早く、最もポテンシャルが大きな市場であり、越境ECプラットフォームを通じて販売する当社の製品は50種類に迫るとともに、最速のペースで消費者の手元に届けられている。今年の越境EC売上高は前年比50%増加する見込みだ」と述べた。
200年あまりの歴史をもつ日本の家庭薬メーカーの龍角散は、2017年から中国ECプラットフォームで製品を販売している。統計によると、今年4-9月に、同社製品の対中越境EC売上高はその前の半年間に比べて4倍以上増加した。同社販売部門の伊藤和人マネージャーは、「中国市場には極めて大きな魅力があり、当社にとって世界市場で欠かせない存在だ。当社は中国EC市場のポテンシャルに大きな期待を寄せており、今後も引き続き中国市場開発のための投資を拡大していく」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月30日