ここ数年、「健康中国2030」計画綱要が持続的に推進されるのにともなって、中国の医療市場と総合健康市場がますます多くの多国籍企業を呼び込み、その中国展開を加速させている。一方、今年は特別な年で、第3回中国国際輸入博覧会では、新型コロナウイルス感染症をめぐる感染対策の成果の展示がごく自然にキーワードの1つになった。特に病気の予防に欠かせないワクチンが、公衆衛生防疫専用コーナーの一番の注目点となっている。「第一財経」が伝えた。
今回の輸入博では、すでに実用化された他の感染症のワクチンだけでなく、各国が研究開発中の複数の新型コロナウイルスのワクチンプロジェクトが披露される。
説明によると、アストラゼネカ、サノフィ、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、メルク・アンド・カンパニーなどの多国籍製薬大手はいずれも3回連続で輸入博に参加し、今回初めて「ダブル展示ブロック」方式で出展するという。
アストラゼネカの王磊グローバル執行副総裁(国際業務・中国総裁)は、「アストラゼネカの輸入博の展示ブースは年々拡大しており、第1回の500平方メートルが第2回は800平方メートルになり、3回目の今年は1千平方メートルになった。今後の輸入博でもアストラゼネカはぜひよりよい展示ブース、より広い展示ブースを予約したい。これはアストラゼネカの決意を表すものだ。アストラゼネカは輸入博を通じて大きな成果を上げているからで、これから毎年の輸入博でもたくさんの輸入プロジェクトに調印し、中国の医療機関や各省・市との間で重要な戦略的協力パートナー合意を締結するだろう」と述べた。
中国市場に進出して35年になるJ&Jは、引き続き中国を世界一のグローバル事業発展のエンジンとみなし、各界の協力パートナーとともに中国を世界のイノベーションのエンジンにしたい考えだという。
J&Jが取材に対して書面で答えたところによると、「輸入博への参加を一番早く宣言した外資系企業の一つとして、当社は引き続き革新的製品の導入と革新的ソリューションの実施を加速させる。また国の有利な政策の支援を受けて、より多くの世界最先端の医薬機器と消費財の中国市場への進出を加速するとともに、J&Jが中国市場で絶えず高度化を進めるスマート製造能力とエンドツーエンドのグローバル供給システムを通じて、より迅速に市場のニーズに応えていきたい」という。
ノバルティス中国法人のダン・ブリンドル総裁は取材に答える中で、「今や中国はノバルティスにとって最も戦略的意義があり、最も重要な市場の一つだ。感染症の大流行の影響があったとしても、ノベルティスは中国市場に大きな信頼を寄せ、中国市場の基本的側面は引き続き良好だと考えている。現在、中国はノベルティスにとって世界で3番目の市場であり、これから2番目の市場になるだろうと期待している。2020年から2024年までの間、ノバルティスは中国で50件の新薬承認申請を行う予定だ」と述べた。
輸入博は国際貿易交流を促進し、開放協力のシグナルを発信する重要なプラットフォームであり、多国籍企業に中国市場の開拓を推し進め、より多くのビジネスチャンスを掘り起こす機会を与えることは間違いない。上半期に医療の歴史の中でも破格の買収額で合併買収(M&AS)を終えたばかりのアッヴィは、輸入博をプラットフォームにして、グローバル医薬品大手という新たなイメージを内外に示すという。
アッヴィ中国法人の欧思朗社長は、「今回の輸入博が予定通り開催されたことから、中国政府がこれまでと変わらずに世界と開放協力を進める決意であることがよくわかる。このことはアッヴィが長年にわたり実践してきたイノベーションが駆動するブレークスルーの達成、協力・ウィンウィンの理念とピタリと一致するもので、アッヴィは今回の輸入博にとても期待している」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年10月30日