視聴者を絶句させたラスト

　アニメの最終回で「まさかこんな展開が？」と驚かされることは多々あります。しかし、そのなかには、視聴者の想像を超え、観ていてつらい展開もありました。今回は最終回で起きた衝撃的な出来事をあげます。

【画像】浮気男が許せん！　こちらがアニメでは描かれない悲劇の『WHITE ALBUM2』ヒロインのドレス姿です（4枚）

※この記事には『White Album 2』『BLOOD -C』『くまみこ』終盤についての記述があります。ネタバレにご注意ください。

●『White Album 2』

『White Album 2』は、PS3向けに発売した恋愛アドベンチャーゲーム『WHITE ALBUM2 幸せの向こう側』を原作にTVアニメ化されました。主人公「北原春希」と、ヒロイン「小木曽雪菜」、「冬馬かずさ」による、切ない恋愛劇が描かれます。

　春希は、雪菜と付き合った後もかずさに未練がありました。ふたりの間で揺れ動く春希は、最終話で雪菜を裏切り、かずさと体を重ねます。それでもかずさのウィーン留学の意思は止めることができず、翌朝、彼女はひとりで空港へ向かってしまいました。

　あとから雪菜と一緒に空港に到着した春希は、かずさを見つけ、雪菜の見ている前で熱い抱擁とキスを交わします。それを見て雪菜は涙し、かずさはふたりを置いてウィーンへ、春希はかずさを失い抜け殻状態に……という、誰も幸せになれない結末で視聴者を驚かせました。

　ちなみに、原作ゲームの方では「雪菜ルート」と「かずさルート」、それぞれの結末が描かれています。気になった人は、ぜひプレイしてみてください。

●『BLOOD -C』

　CLAMP原案のオリジナルアニメ『BLOOD-C』の最終回は、『White Album 2』とは違った、つらい結末を迎えました。

　この作品は、浮島神社の巫女「更衣小夜」が、街や学園を守るために人を喰らう「古きもの」と戦う物語です。しかし、最終回前話で、小夜が古きものの血肉を糧とする人間の姿をした「古きものの上位種」であることが明らかとなります。

　それを明かしたのは小夜が慕っていたカフェのマスター「七原文人」で、彼が古きものを操る黒幕でした。さらに、友人だと思っていた「時真慎一郎」らは文人に雇われたエキストラで、ずっと小夜をだまし続けていたのです。

　最終話では、慎一郎たちが古きものに上半身を食いちぎられたり、地面に叩きつけられたりと、怒涛の惨殺ショーが展開します。最終的に小夜は左目を失明して復讐を誓い、終了しました。

　小夜が最終的にどうなったのかは、続編『劇場版 BLOOD-C The Last Dark』で知ることができます。

●『くまみこ』

　同名マンガをTVアニメ化した『くまみこ』は、東北地方の山奥を舞台に、クマを奉る神社の巫女を務める主人公の「まち」と、彼女の後見人であるヒグマの「ナツ」の日常を描きます。

　少し変わった非日常的な田舎暮らしのほのぼのした日々が描かれますが、最終回で雰囲気が一変します。ご当地アイドルコンテストで起きた出来事をきっかけに、まちは「田舎者とバカにされた」と被害妄想を抱き、憧れていた都会の高校への進学を諦めました。

　それに対して、ナツや地元の役場の人たちは何だかうれしそうです。そして役場職員の「良夫」が「熊出村の昔話で、娘を生け贄として差し出していたって。それってさ、現代に置き換えたら巫術を持った娘巫女のことだと思わないか？　あいつには酷だけど、マジに村の代表として、みんなの為に頑張って欲しいんだよ」と不穏なことを語ります。

　あくまで、この展開はアニメオリジナルです。原作マンガでは異なるストーリーが展開されるため、見比べるのも良いでしょう。

（米田果織）