日立製作所は9月1日,ブレード・サーバー,ストレージ,LANスイッチ,システム管理ソフトなどを必要に応じて組み合わせられるシステム基盤の新製品「BladeSymphony(ブレードシンフォニー)」を販売開始した。Intelの64ビット・プロセッサ「Itanium 2」を2個搭載したブレードを最大4台まで組み合わせ,8CPUのSMPマシンとして利用できることが特徴である。OSは,Windows Server 2003またはRed Hat Linux AS 3。
BladeSymphonyは,大きく4つのコンポーネントで構成される。(1)高さ10Uのサーバー・シャーシに最大8台のサーバー・モジュールを搭載できる「ブレードサーバ部」,(2)高さ3Uのストレージ・シャーシに最大15台のディスク・モジュールを搭載できる「ストレージ部」,(3)LANスイッチや負荷分散装置を搭載できる「ネットワーク部」,(4)上記各部の障害監視/構成変更などを一元管理する「BladeSymphony Manage Suite」である。(1)~(3)はハードウエア,(4)はソフトウエアであり,ユーザーは必要に応じて(1)~(4)を組み合わせて使用する。
ブレードサーバ部には,Itanium 2のほかXeonも選択可能。Itanium 2の場合,サーバーの数を増やすスケールアウト型に加え,サーバー単体の処理能力を増強するスケールアップ型の拡張にも対応している。Intel Itanium 2を2個搭載したサーバー・モジュールを最大4台まで組み合わせ,8CPU構成のSMPマシンとして利用できる。 この構成を実現するために,SMPコントローラのメモリー・スイッチング機能を拡張してある。一般的なブレード・サーバーでは,メモリー・スイッチング機能は,サーバー・モジュール内に搭載されたCPUで管理されているメモリーだけを制御対象とする。これに対して,本製品では4.8Gビット/秒のSMP通信専用バスを介して,隣接するサーバー・モジュールのメモリーまで制御できる。メモリー・スイッチング機能やSMP通信専用バスは8CPU構成を前提に設計してあるため,「8CPUを搭載した一般的なSMPマシンと比べても,遅延などで遜色はない」(日立製作所)という。
BladeSymphony Manage Suiteは,BladeSymphonyを統合管理する機能がある。サーバー・モジュールやストレージ・モジュール,LANスイッチなどの状態/障害を監視できる。新規に追加したサーバー・モジュールにOS/ミドルウエア/アプリケーションなどを一括してインストールしたり,複数のサーバー・モジュールにセキュリティ修正プログラムを一括して配布したりすることも可能である。
出荷は,Intel Xeonを搭載したサーバー・モジュールが2004年12月10日,Intel Itanium 2を搭載したサーバー・モジュールが2005年3月の予定。価格は,サーバー・モジュール2台にサーバー・シャーシ,LANスイッチ,BladeSymphony Manage Suite,16Uのハーフ・ラックの合計で税込み417万円から。 |