3月20日に福岡市などを襲った福岡沖玄界地震の発生から半年がたった20日、福岡市中央区大手門3の市立簀子(すのこ)小で、大学教授らによる防災と液状化現象をテーマにした出張授業があった。地震半年を機に、液状化現象が起きる仕組みを学び、防災に役立ててもらう狙い。
出張授業をしたのは、土木学会西部支部の善功企・九州大大学院教授と佐藤研一・福岡大助教授の2人。簀子小の5年生20人と、地震で被災し、同小の校舎を借りて授業を受け続けている玄界島の玄界小の5年生5人が参加。地球の構造や地震が起きる仕組みを学んだり、校区内にある荒津大橋を題材にして橋やダム、人工島などの耐震構造、土木工学の役割などについて学習した。
その後、液状化実験装置を使い、地震で地盤が液状化する様子を学んだ。砂と水が入った実験装置に振動を与えると、砂の地盤が数秒で液状化。砂の上に置いていた模型の建物や車などが次々に砂の中に埋没すると「あー」「沈んでいくー」と声が次々に上がった。
玄界小の男児の一人は「島では大きな被害があったけど、液状化しなくてよかった。実験では、建物の下にしっかりくいが打ってある建物は沈まなかったので、早く地震に強い島に復興してほしい」
佐藤助教授は「福岡沖玄界地震でも起きたように、地震が起きると海岸付近では液状化現象が起こるということを知り、防災に役立ててほしい」と話していた。【米岡紘子】
毎日新聞 2005年9月20日 12時50分