東京都府中市の東京競馬場で30日に開催される秋の天皇賞を天皇、皇后両陛下が観戦する。両陛下は皇太子ご夫妻時代の87年に同賞を観戦しているが、即位後の同賞観戦は47年に現行の天皇賞が創設されて以来初で、昭和天皇の観戦もなかった。観戦は主催のJRA創立50周年にあたる昨年も計画されたが、新潟県中越地震の被害に配慮して中止された。公営ギャンブル観戦について宮内庁幹部は「JRAの競馬は収益を社会福祉推進に充てるなど公的性格が高く問題ない」と話している。
JRAによると、同賞は、1905年5月6日に横浜市の日本レースクラブが、明治天皇から下賜された「菊花御紋付銀製花盛器」を賭けて創設した「エンペラーズカップ」が前身で今年は100周年の節目にあたる。
エンペラーズカップは「帝室御賞典競走」と名前を変え、戦前から春が阪神、秋が東京と年2回施行された。戦争による中止を経て47年春に「平和賞」の名で復活。同年秋から現在の名称の天皇賞になった。
JRA広報の話 天皇陛下にご来場頂くことを長年熱望していました。観戦頂けるのは大変光栄です。【遠山和彦】