ロッテの瀬戸山隆三球団代表(52)は8日のアジアシリーズのレセプション後、去就が注目されているボビー・バレンタイン監督(55)の来季残留を示唆する発言を行った。同球団代表とバレンタイン監督は7日に千葉マリンで会談しており、3年総額15億円に近い条件で合意したものと見られる。10日以降に予定される重光昭夫オーナー代行(50)との交渉で残留を表明する可能性が濃厚となった。
アジアシリーズのレセプションに出席した瀬戸山代表は、バレンタイン監督の去就問題について「来年も残ってもらうことになっている。あとはボビーに構想(コーチ人事)を発表してもらうだけ」との発言を行い、残留に自信を見せた。
その背景にあるのが、7日に千葉マリンで行われた会談だ。瀬戸山代表は「契約の話はしていない」としたが、関係者の話を総合すると、10月31日に提示した3年総額12億円を上回る条件を提示。重光オーナー代行は5日に上積みを示唆していたことから、3年総額15億円に近い金額が提示され、バレンタイン監督が了承したものと見られる。
そのバレンタイン監督はこの日午前、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見。「日本で困ったことといえば、言葉のバリアーぐらい。それも55歳にしては最高速で学んでいると自負している」と残留に前向きとも受け取れる発言を行った。
さらには「(日本一になり)もう日本でチャレンジすることはないのでは?」と聞かれると「勝利は小さなチャレンジを積み重ねた結果。世界的に尊敬されるような球団にすることもチャレンジ」とも発言。これまでの退団を示唆した発言とは明らかに方向転換だ。
ある球団幹部は本紙の取材に「最善の条件は提示している。あとはバレンタイン監督の意思次第」と答えるなど「マネーゲーム」からの撤退も示唆していた。7日に提示した条件は、ある意味でロッテとしての最大限の誠意。それにバレンタイン監督も応えたという見方もできる。
次回交渉は韓国出張中の重光オーナー代行が帰国する10日以降に行われる。ファンが待ち望んだバレンタイン監督の残留は、その場で正式決定することになりそうだ。