秋田県藤里町粕毛家(かすげいえ)の後(うしろ)、町立藤里小1年の米山豪憲(ごうけん)君(7)が殺害された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された近くに住む無職、畠山鈴香容疑者(33)が8日、県警能代署捜査本部の調べに対し、「豪憲ちゃんの首を絞めて殺した」と殺害について認める供述を始めた。捜査本部は殺害の動機を追及し、殺人容疑でも再逮捕する方針。
同日午後の取り調べで、畠山容疑者は大声で泣きながら殺害を認め、そのうえで「豪憲ちゃんに手を合わせて拝みたい」と話したという。畠山容疑者は一連の事件について「1人でやった」と供述している。
供述によると、畠山容疑者は5月17日午後3時半過ぎ、帰宅途中の豪憲君を自宅に呼び入れ、首を絞めて殺害した。その後、軽乗用車に乗せて遺体を運び、約10キロ離れた能代市二ツ井町の草むらに遺棄し、ランドセル、帽子は遺体のそばに捨てたという。
畠山容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に「17日午後2時から同4時まで自宅でドライフラワーを作ったりしていた。いつもは聞こえる下校時の小学生の声が聞こえなかった」などと話し、事件への関与を否定していた。
4日深夜の逮捕後は、死体遺棄容疑については認め、殺害についてほのめかすこともあったが、その後は供述を二転三転させ、「疲れた」などと訴えて取り調べが中断することもあった。「外出から帰ってきたら(豪憲君の)死体があった」などと不自然な供述もしていた。
捜査本部は、遺体や畠山容疑者の車から検出した血痕、尿反応などの鑑定を進めるとともに、動機や事件の詳しい経緯を調べている。【川上晃弘、馬場直子】
毎日新聞 2006年6月8日 18時10分 (最終更新時間 6月8日 20時31分)