秋田県藤里町立藤里小4年、畠山彩香ちゃん(9)が水死した事件で、「橋の上から突き落とした」と殺害を認める供述をしている母親の無職、畠山鈴香容疑者(33)=別の殺人容疑で再逮捕=が、県警能代署捜査本部の調べに「彩香に対して愛情はなかった」「疎ましく思った」という内容の供述をしていることが分かった。また、彩香ちゃんの遺体に多数の皮下出血があることも分かった。秋田地検は17日、同小1年、米山豪憲君(7)を絞殺したとして殺人罪で追起訴する。捜査本部は近く彩香ちゃんを水死させたとして殺人容疑で再逮捕し、詳しい動機などを追及する。
調べでは、畠山容疑者は4月9日夕方から夜にかけて、自宅から約3キロ離れた大沢橋の欄干(高さ約1.15メートル)の上から、彩香ちゃんを約8メートル下の川に突き落とし、殺害した疑いが持たれている。遺体は翌10日午後、同橋から約4キロ下流の浅瀬で水死体で見つかった。
畠山容疑者は今月初め、「彩香は橋の欄干から足を滑らせて転落した」と供述し、さらに数日前に突き落としたことを認めた。動機については「疎ましかった」などと供述しているが、きっかけとなる具体的な出来事はなく、日々の生活の不満が重なったという内容の供述をしているという。
一方遺体の傷は、頭に軽度の骨折がある以外に、多数の皮下出血があることが分かった。滑らかな面に衝突した際にできる出血とみられる。川に流された体が石などに当たってできたとも考えられるが、突き落とされた際にできた可能性もあるため、捜査本部は慎重に鑑定作業を進めている。【百武信幸】
毎日新聞 2006年7月17日