秋田県藤里町立藤里小1年、米山豪憲君(7)殺害事件で、秋田地検は17日、豪憲君方の2軒隣に住む無職、畠山鈴香容疑者(33)を殺人罪で追起訴した。一方、県警能代署捜査本部は18日、長女の同小4年、彩香ちゃん(9)を橋の上から川に突き落として殺害したとして、畠山被告を殺人容疑で再逮捕する。
起訴状などによると、畠山被告は5月17日午後3時半ごろ、下校途中の豪憲君に「彩香の思い出に何かもらってほしい」と声をかけ自宅玄関に呼び入れ、後ろから腰ひも(長さ約2メートル、幅約3センチ)で首を絞め窒息死させた。遺体を軽乗用車の荷台に乗せ、同4時5分ごろ、約10キロ離れた能代市の米代川近くの草むらに遺棄した死体遺棄罪で既に起訴されている。
一方、畠山被告は4月9日夕方から夜にかけて、自宅から約3キロ離れた藤琴川にかかる大沢橋の欄干(高さ約1メートル15)の上から、彩香ちゃんを約8メートル下の川に突き落とし、殺害した疑いが持たれている。遺体は翌10日午後、同橋から約4キロ下流の浅瀬で水死体で見つかった。頭には軽度の骨折があり、体中に多数の皮下出血があった。
調べに対して畠山被告は、「彩香を橋の上から突き落とした」と殺害を認める供述をしている。動機については「彩香に対して愛情はなかった。疎ましく思った」という内容の供述をしている。また「東京に行きたかった」とも話しており、事件との関連を調べている。
捜査本部は、豪憲君事件の動機には彩香ちゃんの死が深くかかわっているとみて、二つの事件の関連についても追及する。【百武信幸】
毎日新聞 2006年7月18日