◇新庄「引退宣言」、ハムは大幅増
セ・パ両リーグは21日、前日に終了した交流戦の観客動員数を発表した。今年の観客数は計216試合で508万8324人(1試合平均2万3557人)で対前年比は0・45%の微増となった。セ・パの主催別に見ると、セは計283万4951人(1試合平均2万6250人)で対前年比2%増、パは計225万3373人(同2万865人)で同1・4%減となった。
1試合平均の観客動員数を交流戦前のリーグ戦と比較すると、昨年同様にセは減少し、パは増加。ただし、セの減少幅は昨年のマイナス8・1%からマイナス6・5%へと小さくなった。パの増加幅は昨年の15・2%から7・2%と減少した。
球団別では阪神が77万2345人(同4万2908人)でトップ。最下位は横浜の23万3853人(同1万2992人)。引退宣言した新庄が注目を集める日本ハムが41万1572人(同2万2865人)と、前年より2万9884人の大幅増を果たした。【神保忠弘】
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■波
◇「いかに行うか」議論の深まりに期待
2年目のセ・パ交流戦は、初年度の昨年よりわずかながら観客を増やした。天候等の違いもあり単純比較はできないが、新鮮味が薄れつつあることを思えば「全体として成功」(小池パ・リーグ会長)と言える。ただし問題点も見えてきた。
中でも多いのが、約1カ月半という期間が「長過ぎる」という意見だ。リーグで首位争いするチーム同士の対決が見られないのも興趣を欠く。
対策としては時期を二つに分ける「2分割案」がある。ヤクルトの古田監督は「最初は負けても次はリベンジ、となれば盛り上がる」と話す。パの小池会長も「前向きに検討すべきだ」と語る。しかし「リーグ同士の対決も一巡しない春先や、リーグ優勝争いのヤマ場となる秋に交流戦が入ったらファンがどう思うか」(中日・伊藤球団代表)との疑問もある。
また交流戦は一定期間内に消化しなければならないため、悪天候でも試合を強行するケースが見られた。それでも19~22日の予備日期間に7試合が入り(昨季は3試合)、綱渡りの日程編成を強いられた。
交流戦は、セ・パ両リーグで論議中のポストシーズンゲーム(プレーオフ)制度問題でも重要議題となっており、試合数削減を主張するセ側と、現状維持を求めるパ側が対立している。とはいえ「ファンの間に交流戦が定着しつつあり、『やらない』という判断は難しい」(豊蔵セ・リーグ会長)状況なのは確かだ。今後「いかに行うか」について論議が深まることを期待したい。【神保忠弘】
毎日新聞 2006年6月22日 東京朝刊