中日・白井文吾オーナー(78)は6日、育成選手として獲得した前オリックス・中村紀洋内野手(33)を開幕前までに支配下選手登録することを示唆した。中村紀は6日に行われた実行委員会で育成選手のオープン戦出場が認められたことから、7日に1軍合流。育成選手のまま、西武とのオープン戦(ナゴヤドーム)で“1軍デビュー”を果たすことになった。
ノリの開幕スタメンが現実味を帯びてきた。西武とのオープン戦後、落合監督と会談した白井オーナーが「監督は支配下選手にしたいようだ。開幕前?あるかもね。一任した」と明かした。
中日は現段階で69人を選手登録。首脳陣は当初、残る1つの枠を中村紀か同じく育成選手のラミレス、クルスの外国人投手で争わせる方針だった。ところが3日の教育リーグ・サーパス戦で満塁弾を放つなど“ノリ株”は急上昇。落合監督はこの日の西武戦で、昨季三塁定位置を獲得した森野を5日に続いて左翼で起用するなど“ノリシフト”もテストしている。
中村紀にとっては、この日の実行委員会で育成選手のオープン戦出場が認められたことも“追い風”となった。ウエスタン教育リーグ・ソフトバンク戦(ナゴヤ球場)で3打数無安打に終わった中村紀は「名古屋での初めての試合だったので力んでしまった」と苦笑いしたが、試合後に届いた“朗報”で1軍合流が決定。早ければ7日の西武戦(ナゴヤドーム)に先発出場することになった。
「あす(1軍に)行きます。辻2軍監督から聞いたばかり。ありがたいこと。気負わずやる」と意気込んだ。中日のオープン戦は残り15試合。まずは結果を残すこと。周囲を納得させれば3・30、開幕戦でノリのフルスイングが見られる。
≪オープン戦には育成選手も出場OK≫実行委員会が6日、東京・内幸町のコミッショナー事務局で行われ「技術未熟な育成選手が1軍級の試合に出るのは故障が伴う危険がある」として育成選手がオープン戦に出場できなかった12球団の申し合わせを改正した。巨人からの提案を受けて12球団で合意したもので、7日から出場可能とした。長谷川事務局長は中日・中村紀の名前も示したうえ「1軍級の育成選手は当然いる。より実戦で見極めができるようにした」と説明。1軍公式戦には従来通り支配下登録されない限り、出場はできない。
スポーツニッポン 2007年3月7日