消費者金融の規制強化問題で金融庁は28日、1人に融資できる額を1社当たり最大50万円、複数社の場合、総額で最大100万~150万円とする貸金業規制法改正案の原案を自民党に提示した。また、少額で短期の融資の場合、上限を上回る金利を特例として認めるが、その具体的な内容について「貸出額30万円まで、返済期間半年以内」と「同50万円まで、1年以内」の2案を示した。特例として認める金利は20%台後半までとする。
自民党は週内にも貸金業小委員会を再開し、早ければ9月召集の臨時国会で関連法の改正案提出を目指す。
短期融資の特例については、融資先が事業者の場合、貸出額は500万円まで、返済期間は3カ月以内とする案を示した。事業者は一時的なつなぎ資金への需要が高いためだが、日本弁護士連合会などは「一般の個人と事業者との境界にある借り手もあり、規制の抜け穴になりかねない」と反発している。
消費者金融の貸出上限金利を巡って政府・与党は、出資法の上限(年29.2%)を利息制限法の上限(同15~20%)に引き下げることで一致している。ただし、少額・短期の融資は、借金残高が雪だるま式に膨らまず、返済負担が小さいことから、3年程度の時限措置として金利上乗せの特例を認める方向で検討している。
事業者向け融資については、上限金利の急な引き下げで貸金業者が審査を厳しくした場合、資金的に行き詰まる事業者が多発する可能性があるとして、個人向けよりも特例の範囲を広げることにした。【坂井隆之、清水憲司】
毎日新聞 2006年8月29日