傍聴券を求め東京地裁に集まった大勢の人たち=東京・霞が関で4日午前8時58分、本社ヘリから竹内幹写す
東京地裁では4日、午前8時20分の開門とほぼ同時に整理券(傍聴抽選券)の配布が始まり、多くの傍聴希望者が同地裁の敷地内に列を成した。その数は、過去20位の2200人(ロス事件第8回公判)に次ぐ21位の2002人。用意された一般傍聴席61席に対する競争率は32.8倍となった。午前9時、コンピューター抽選による結果が白いボードに張り出されると、どよめきとため息が広がった。
東京都大田区のアルバイト、山口厚さん(23)は「事件前、古い慣習に立ち向かう堀江さんが気になっていた。どんな発言をするのか楽しみ。本当に何が起こっていたのかを知りたい」。中央区の主婦(52)は「報道だけでは疑問の部分が多かった。裁判でそのことが分かればと思う」と話した。
ライブドアの株主も複雑な思いで初公判を迎えた。千葉県浦安市の会社員、岩尾文治さん(41)は、値の下がった5000株を売れずに自宅のタンスにしまったまま。大きな損を出したことよりも、無罪の主張に憤る。「堀江さんは経営について周りにお任せだったかも知れないが、社長として責任を認めて罪を償うべきだ」
川崎市のアルバイト男性(61)は「株の恐ろしさを味わった」と振り返った。「詐欺にあったようなもの。司法に厳しい判断を求めたい」と語気を強めた。【棚部秀行、安高晋】