トヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)の下請け企業23社が、「技能実習生」として受け入れたベトナム人約200人を、法定の最低賃金を下回る額で雇用していたとして、豊田労働基準監督署から是正指導を受けていたことが4日分かった。
同労基署によると、23社は同市内で自動車部品などを製造する中小企業。ベトナム人の雇用について、各社間で月12万2000円程度の統一賃金を設けていたという。ベトナム人はおおむね月170~180時間程度働いており、愛知県の地域別最低賃金(1時間688円)や、産業別最低賃金(輸送用機械器具製造業の場合1時間807円)などの法定賃金を下回っていた。未払い賃金の総額は約5000万円とみられ、各社は8月末までに支払いをほぼ終えたという。
技能実習生は日本国内で1年間の研修を終えた外国人が、受け入れ先の企業で2年間働く制度。労働基準法などの労働関係法令が適用され、通常の労働者と同様の扱いが必要になる。【安達一正】
毎日新聞 2006年9月4日