【フォートマイヤーズ(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグ・レッドソックスの松坂大輔投手は26日、オルティスなど主力打者相手のフリー打撃に登板した。制球を意識した投球で、安打性の当たりを許さなかった。
同日はオープン戦も開幕し、昨年のワールドシリーズ王者、カージナルスがマイナー選手主体のチームで大学チームと対戦。田口壮外野手ら主力はオープン戦ではなく紅白戦で調整した。田口は本塁打を放つ活躍を見せた。またホワイトソックスの井口資仁内野手も初めての紅白戦参加で2打数2安打と上々の仕上がりぶりを見せた。
◇鮮烈な印象
キャンプ2回目のフリー打撃に登板した松坂は、オルティス、ラミレスら主力を相手に54球。仕上がってきた投球は、大リーグ屈指の3、4番コンビに対して、鮮烈な印象を与えたようだ。
オルティスとラミレスは、新入りの品定めといった趣で急きょ、松坂が登板するグループに入り込んだ。昨季54本塁打、137打点でア・リーグ2冠を獲得したオルティスは、1球目の直球に振り遅れてファウル。その後は、10球続けてバットを降らず、真剣な目線で球筋を追った。最後の12球目はチェンジアップでバントしようと試みたが、これも捕らえ損ねてファウル。にやりとして巨体を揺すり、引き下がった。
04年のワールドシリーズMVPで、不動の4番を務めるラミレスは、3球すべて見逃した後は打席に立たず、少し離れたところから投球に鋭い視線を送った。
松坂は外角に広いメジャーのストライクゾーンを意識して、「この前よりも(外角に)広げて投げた」と振り返った。ほかの打者も含めて、15スイングで空振り4、ファウル7、凡打4。この日の打者の主眼は球を見極めることだったこともあり、ヒット性の打球はゼロだった。
しかし対峙(たいじ)しただけで、互いの凄みを知った。松坂が「素晴らしいバッターは、みんな一緒。懐が深い。構えただけで分かった」と3、4番コンビが醸し出すオーラを語れば、オルティスも「(松坂は)ストライクゾーンを知っている。それがメジャーで生き残る道だ」と評価した。【高橋秀明】
毎日新聞 2007年2月27日 11時01分 (最終更新時間 2月27日 11時52分)