【タンパ(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグ、ヤンキースの井川は27日、当地で行われた紅白戦に主力組の先発として登板。2回を投げ1安打無失点だった。先頭打者にバント安打を許したが、以後は抑えた。松井秀は同じ主力組の3番・左翼に入り、2打席を空振り三振と二邪飛とともに凡退して退いた。
マリナーズも紅白戦を行い、イチローは3打数3安打。城島も二塁打を放った。レッドソックスの松坂と岡島は投球練習はせず、守備の連係プレーなどで終えた。ホワイトソックスの井口とロッキーズの松井稼は28日のオープン戦に備えた。パイレーツの桑田は紅白戦を観戦してストライクゾーンを確認。
◇井川、順調な滑り出し
2回19球。ヤンキースのトーリ監督は「ストライクが先行して、無駄な球がなかった」と井川の実戦デビューを評価した。控えクラスの若手が相手とはいえ、順調な滑り出しとなった。
ピンストライプのユニホームに身を包んだ井川は一回、先頭のガードナーに初球を一塁前へバント安打された。「紅白戦の初球にまさか、ああいうことをするとは」と虚を突かれたが、続く左打者のサーディナをあっという間にカウント2-0と追い込み、3球目の外角直球で遊ゴロ併殺に打ち取った。この日の球速は最速146キロだったが、井川は「左打者の外と右打者の内角に、しっかりと投げられた」と分析し、球速については「この時期は、そんなものでしょう」と振り返った。
「今後、もう少し球速が上がるか?」と聞かれた井川は、「(球速を)上げるよりも、コントロール」と即座に切り返した。球数が「少ない方がいい」とも言う。昨年、セ・リーグ最多タイの194奪三振を記録した井川だが、メジャーではパワーよりも精密さを追い求めている。【高橋秀明】
毎日新聞 2007年2月28日 10時21分 (最終更新時間 2月28日 11時39分)