【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグは22日、9球団の野手組がキャンプイン。デビルレイズ入りした岩村明憲内野手が当地で初日を迎え、3年目の井口資仁内野手(ホワイトソックス)はアリゾナ州トゥーソンで始動した。
背番号「1」の真新しいユニホーム姿の岩村は守備で戸惑いながらも、はつらつと動いた。井口は早速のフリー打撃で快音を響かせた。
松坂大輔投手(レッドソックス)はブルペンで変化球に重点を置いて100球を超す投げ込みをした。ヤンキースでは、井川慶投手がフリー打撃の投手を務めた。エースのカーペンターを相手にフリー打撃をした田口壮外野手(カージナルス)ら他の選手も順調に練習をこなした。
◇28歳の“ルーキー”岩村
28歳の“ルーキー”岩村はランニングで先陣を切るなど、キャンプ初日とは思えない風格を醸し出していた。「チーム自体も選手も若い。これからが楽しみと聞いていたし、実際にそう思った」。早くもチームをけん引していく構えだ。
キャンプ初日は、ストレッチやキャッチボールの後、バント処理を想定した守備練習が行われた。岩村は複数のポジションに対応する構えを見せているが、この日は本職の三塁を任された。デビルレイズでは送球先を日本のように「ファースト、セカンド、サード」ではなく、「ワン、ツー、スリー」と指示するが、「最初のうちは戸惑った」と岩村。それでも慣れてからはそつなくこなし、マドン監督は「ゴールデングラブ賞を6回取っているだけあって、動きがスムース」と評価した。
マスコットバットで臨んだ打撃練習では29スイングで柵越え1本。「風がアゲインスト」だったため、大きな当たりは少なかったが、最後のスイングで右翼フェンスを越える当たりを放ち、ヤクルト時代に通算10シーズンで打率3割、188本塁打、570打点の片りんを見せた。
「メジャーに来るという夢の代わりに、犠牲にしたものもある。日本のファンの前でプレーできないのは寂しい。そういうものをかみしめて、1日1日を過ごしたい」と岩村。昨年、ア・リーグ最低勝率の3割7分7厘と低迷したデビルレイズの再建に、岩村の存在は欠かせない。
毎日新聞 2007年2月23日 11時02分