【ブラデントン(米フロリダ州)高橋秀明】米大リーグは10日、各地でオープン戦を行った。ヤンキースの井川は当地でのパイレーツ戦に先発し、三回に2ランを浴びて3回5安打2失点だった。ドジャースの斎藤はマーリンズ戦の六回に3番手として登板し、1回を無安打に抑えた。レッドソックスの岡島はタイガース戦の四回途中に2番手として登板。2回3分の1を投げて1失点だった。
デビルレイズの岩村はフィリーズ戦の第1打席で右前打を放ち、オープン戦初安打を記録した。カージナルスの田口と、ロッキーズの松井稼は無安打だった。
マイナー契約で参加しているパイレーツの桑田は左足首のねんざで全体練習を休んだ。同じくマイナー契約のアスレチックスの多田野はホワイトソックス戦で1回無失点の投球だった。
イチローと城島(マリナーズ)、松井秀(ヤンキース)、井口(ホワイトソックス)は出場しなかった。
◇井川、この日は無四球
サングラス越しに見たストレートの走りは、悪くなかった。オープン戦2度目の先発に臨んだ井川は「しっかり腕を振って投げられた。特に真っ直ぐは」。3回で4奪三振。一回1死無走者の場面では、右打者、ビクスラーの内角を大胆に攻めて、見逃し三振に切って取った。
前回、押し出しを含む3四球を与えたが、この日は無四球。直球に関しては高めに浮くボールが少なくなってきている。課題として残ったのは、チェンジアップの制球。三回2死二塁からポーリノに浴びた左越え2ランは、初球のチェンジアップが高めに入った。「(シーズンの)前半に悪いことが多々ある。チェンジアップがしっかり使えれば、幅広い投球ができる」と井川。メジャーでも高く評価され、井川の生命線ともいえる球種だけに、修正の必要性を強く感じていた。
パイレーツのブルペンからは、メジャーへの生き残りをかけて瀬戸際の投球が続く桑田が、井川の投球を見守った。桑田は巨人時代の宿敵だった阪神からヤンキース入りした井川に対して、「今日は低めにきていたし、堂々としたピッチングでよかった」とエールを送った。【高橋秀明】
毎日新聞 2007年3月11日 17時53分