4日午前の東京外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落した。12時時点では前日3日の17時時点に比べ70銭円安・ドル高の1ドル=117円92~95銭近辺で推移している。一時118円ちょうどと前週末1月30日以来の安値を付けた。ギリシャ情勢の懸念緩和や原油相場の底入れ期待などが日経平均株価の大幅高を誘い、低金利通貨の円を売り米ドル建ての資産を買う動きにつながった。中値決済に伴う円売り・ドル買いも出ていたようだ。
日銀の岩田規久男副総裁が4日午前の講演で、「景気は緩やかな回復を続けている」、「基調的な見通しは昨年10月から変化ない」などと述べたが、新味に乏しいと受け止められて特に相場の反応はなかった。日本時間10時45分に発表された1月のHSBC中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.8と前月比で1.6ポイント下がったものの、景気判断の節目となる50は超えたため、今のところは中国株などの株価の悪材料にはなっていない。
9~12時の円の高値は1ドル=117円56銭近辺で、値幅は44銭程度だった。
円はユーロに対しても3営業日ぶりに反落した。12時時点では同2円33銭の大幅な円安・ユーロ高の1ユーロ=135円16~20銭近辺で推移している。一時135円35銭近辺と、欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和政策を決めた1月22日以来、ほぼ2週間ぶりの円安・ユーロ高水準になった。ギリシャ懸念の後退や日本株高が円売り・ユーロ買いを促した。
ユーロはドルに対し続伸した。12時時点では同0.0129ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1460~63ドル近辺で推移している。ギリシャ情勢の改善期待からユーロ買い・ドル売りが進んだ。半面、利益確定などのユーロ売り・ドル買いが出て、ユーロの上値を抑えた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕