西武池袋本店で販売予定のチョコレート。注射器を模した容器に詰めたチョコをフルーツなどにかけて食べる(そごう・西武提供)
2月14日のバレンタインデーに向けた商戦が、全国の中でも熱いとされる名古屋で早くも始まった。今年はチョコレートによりお金をかける傾向が強まり、自分用を中心に買う人も増えそうだ。
JR名古屋高島屋は昨年、約70万人に180万個のチョコを販売し、過去最高の18億円を売り上げた。東京や大阪の代表的な百貨店を上回り、日本一。「今年も」(牧野考一常務)と狙う。約3千人へのアンケートでは、チョコに2万円以上かけるという人は昨冬の12%から15%に増えた。予算の8割以上が「自分用」という人は23%から29%に上がった。
関東でも「自分用や友チョコとして、1万~2万円分買う女性がざらにいる」(百貨店担当者)として、各社は女性向けを充実させている。
高島屋は漫画「ベルサイユのばら」と組んだ商品やイベントを企画。「40~50代の原作ファンのほか、宝塚歌劇などで若い女性にも人気」(広報)という。
三越日本橋本店は、産地や製法にこだわる流行の「ビーン・トゥ・バー」など、カカオ豆に注目した商品をそろえる。本物志向の女性の需要に応える。
西武池袋本店では容器が口紅や注射器の形のチョコなど、SNSに写真を載せたくなるような商品を充実させた。広報は「男性に贈るものではなく、女性同士で楽しむ商品も集めた」という。(大隈悠、栗林史子)