兵庫県立人と自然の博物館(同県三田市)は5日までに、同県篠山市の白亜紀前期(約1億1千万年前)の地層から見つかったトカゲの下顎の化石を分析した結果、新種と判明したと発表した。「パキゲニス(厚い下顎)・アダチイ」と学名が付いた。
顎の前側にしか歯がなく、本数も少ないのが特徴。中国でも同時期の地層からよく似たトカゲの化石が見つかっており、博物館の池田忠広研究員は「アジアにおけるトカゲの進化の過程を知るヒントになりそうだ」と話している。
化石は長さ約2.6センチで、歯の長さは3~5ミリ。トカゲの全長は約70センチと推定される。
博物館によると、2007年に池田研究員らが篠山層群下部層で発見した。これまでも複数のトカゲや哺乳類の化石が見つかっている場所で、学名はその場所を見つけた地元の地学愛好家、足立洌さん(71)=兵庫県丹波市=にちなんだ。
博物館は2月11日~4月5日に化石を展示する。〔共同〕