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「野菜ジュース」でがんに負けない体をつくる

作者:佚名  来源:nikkei.com   更新:2015-2-11 14:44:37  点击:  切换到繁體中文

 

代謝を整え免疫を高める食事を通して、がん体質の改善を目指す指導をする西台クリニック院長の済陽高穂さん。野菜や果物を大量に取る食生活を続けることで、新たながん細胞が生まれにくくなり、健康な細胞が増える仕組みを聞いた。


済陽高穂さん(西台クリニック院長)。1945年生まれ。千葉大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器病センター、米国留学を経て、東京女子医科大学助教授、都立荏原病院外科部長などを歴任。08年から現職。『今あるガンが消えていく食事』(マキノ出版)など著書多数


済陽高穂さん(西台クリニック院長)。1945年生まれ。千葉大学医学部卒業。東京女子医科大学消化器病センター、米国留学を経て、東京女子医科大学助教授、都立荏原病院外科部長などを歴任。08年から現職。『今あるガンが消えていく食事』(マキノ出版)など著書多数


消化器専門の外科医として、がん患者を5000人余り治療し、約2000例のがん手術をしてきた済陽高穂さん。その元気の源が、25年以上毎朝欠かさず飲んでいる「最強ジュース」だ。ある日の1人分の材料はレモン2個、グレープフルーツ1個に季節の野菜と果物を数種類。レモンは無農薬農家と契約し、夫婦2人で1カ月に120個も消費してしまう。毎朝の1杯が、がんに負けない体をつくるという。


日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる時代。誰もががんと無縁ではいられない。


だからこそ済陽さんは「がんは生活習慣病である」ことを強調する。「がんを予防するにはまずは食生活を改善し、代謝と免疫力を高めることが重要です」。がんを防ぐ食べ方をじっくり聞いた。


■がんの芽を早めに摘む食べ方


そもそも、がんは全身の代謝異常によって細胞ががん化し、免疫力の低下によって増殖する病気。


「がんの『芽』は、健康な人でも1日3000~5000個は発生しているといわれます」と済陽さん。ただしすべての「芽」が、がん細胞になるわけではない。がんの成長を抑制してくれる食べ物と、逆にがん細胞の発生・成長を促してしまう食べ物とがあるという。


「がんは、間違った食生活による代謝異常が招く全身病ともいえます」(済陽さん)


がん細胞の発生・成長を促してしまうのは「塩分と牛・豚・羊など4本足の動物の動物性脂肪、動物性たんぱく質。これらの取り過ぎは、がんと明確な因果関係があります」(済陽さん)。


一方、がんを抑制してくれるのが野菜や果物。鍵となるのは、野菜や果物に豊富に含まれるカリウムとポリフェノールだ。カリウムは余分なナトリウム(塩分)を体外に出し、細胞が傷つきにくい状態にする。ポリフェノールは、がんの原因にもなる活性酸素の働きを抑える。この2つが体内の毒を出し、細胞を強化して「がんを寄せつけない体」をつくる。


※アメリカ国立がん研究所発表『デザイナーフーズ計画』(1990年)を基に編集部で作成


※アメリカ国立がん研究所発表『デザイナーフーズ計画』(1990年)を基に編集部で作成


野菜や果物ががん予防に効くことは、海外の研究でも実証済みだ。食事とがんとの関係を科学的に調べようと、1990年に始まったアメリカの国立がん研究所の「デザイナーフーズ計画」では、野菜や果物、香辛料などが有望ながん予防食品と見なされた(上図参照)。


さらに世界がん研究基金による調査(1997年)では、野菜が、がんのリスクを低下させることが明確になった(下表参照)。「特に食道、肺、胃、大腸のがんには、野菜が効果的とされています」と済陽さん。


※世界がん研究基金「栄養とがんについてのまとめ」(1997年)を基に作成


※世界がん研究基金「栄養とがんについてのまとめ」(1997年)を基に作成


■最適解はジュース。レモンは必須


では、野菜や果物に含まれる抗酸化物質をどうやって取るか。「ジュースが最も効率が良い」というのが、済陽さんの結論だ。


「大量の野菜・果物は生では食べ切れない。スープは料理に手間と時間がかかるし、塩分の排出を促すカリウムは水に溶けやすいので、スープでは失われやすくなる」(済陽さん)


がん予防のジュースの必須アイテムがレモン。免疫力を高める効果が特に強い。これに旬の野菜と果物を加える。


既にがんに罹患(りかん)した人には1日1.5~2Lと、大量のジュースを飲むよう勧めているが、予防目的なら1日300~500mLで十分という。


「細胞の新陳代謝は100日以内のものが多いから、3カ月から半年間ほど朝のジュースを続ければ、体質改善できますよ」(済陽さん)


■お邪魔します、名医の食卓:済陽家の朝は1杯のジュースで始まる


野菜ジュースの有効性を説く済陽さんは、自宅でも夫人お手製のジュースを毎日飲む。朝食に欠かせない野菜ジュース作りに密着した。



(1) ジュース作りは千賀子夫人が担当。材料は毎日替わるが、この日は良い葉物野菜がなかったので野菜はニンジンのみ。表皮の農薬を取り除くため、一晩水につける。


(2) レモンを大量に使う済陽家では、電動のスクイーザーが大活躍。レモン3個、グレープフルーツ1個、 オレンジ1個を搾ったが、驚くほど短時間で果汁が取れた。


(3) ニンジン1本、リンゴ1個は小さく切ってジューサーに。ミキサーだと素材の栄養素が壊れやすく、食物繊維が多過ぎて腸に負担がかかるため、ジューサーを愛用。



(4) 完成! 野菜ジュースの鉄則は、搾りたてをすぐに飲むこと。時間がたつにつれ、栄養素が壊れて効果が低下してしまうからだ。朝食を取る前に、まずは夫婦そろってジュース(200~300mL)で乾杯するのが、済陽家で20年以上続く朝の儀式。


(5)ジュースの後はたっぷりの朝食。食後においしい緑茶を入れるのは済陽先生の担当。



 


■がんができやすい体質を変える、済陽流ジュースの黄金方程式


体に良いと分かっていても、おいしく、手軽でなければ続かない。忙しい朝、あれこれ迷わず、おいしいジュースを作るコツとポイントを、済陽さんに伝授してもらった。



 


(ライター 大旗規子、日経おとなのOFF 市川礼子・安原ゆかり、写真 吉澤咲子)


[日経おとなのOFF 2014年12月号の記事を基に再構成]



 

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