日銀が12日発表した1月の国内企業物価指数(速報値)は、消費増税の影響を除くベースで前年同月を2.4%下回った。下げ幅は2009年12月の3.8%下落以来、ほぼ5年ぶりの大きさとなる。昨年夏以降の大幅な原油安が響いており、円安を受けた価格転嫁の動きも一服しつつある。前年比で下落した品目数は上昇した品目数を17カ月ぶりに上回った。
企業物価指数は出荷や卸売り段階で企業間で取引する製品の価格水準を示す。原油など1次産品の市況を反映しやすく、消費者物価指数などと比べて変動が大きい。
1月は原油のほか化学製品や金属製品の国際市況も弱含み、企業物価の前月比でみた下げ幅は増税の影響を含むベースで1.3%下落と09年以来6年ぶりの大きさとなった。円ベースの輸入物価は12年10月以来の前年比マイナスとなり、下落幅は6.6%に達した。
12年後半から円安が進み、輸入物価の上昇を国内価格に転嫁する動きが続いていたが、足元では一巡しつつある。増税の影響を除いて前年比下落した品目数は全814品目のうち375品目と、上昇の356品目を上回った。食料品などでは1月以降も値上げ表明の動きが続いているが、「値上げが浸透するかは需要次第の面があり、動向を注視する」(日銀調査統計局)という。