日産自動車のモーターショーに関する営業秘密を不正に取得したとして、神奈川県警は14日、不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで、元日産社員、柴山哲也容疑者(52)=同県茅ケ崎市=を逮捕した。
県警生活経済課によると、柴山容疑者は在職中の2013年8月ごろから昨年2月にかけて、約1万8千件の情報を抜き出した可能性があるという。同容疑者は中国の自動車メーカーに派遣社員として勤務しているといい、同課は中国メーカーへの流出がないかも調べる。
柴山容疑者は「データを移したが、不正な利益を得たり、日産に損害を与えたりする目的はなかった」と否認している。
逮捕容疑は13年12月~昨年2月、モーターショーでの車の配置や照明の当て方などに関するデータ8件を自分のハードディスクに複製し、営業秘密を領得した疑い。
同課によると、柴山容疑者はショーに関係する部署の課長職だったためデータにアクセスする権限があった。昨年1月に退職を申し出たが、社内調査で疑いが判明。日産は同容疑で県警に告訴し、昨年4月に解雇した。
中国メーカーでの勤務実態は不明という。
日産では昨年5月にも、新型車の企画情報を不正に得たとして別の元社員が同法違反容疑で逮捕され、その後、在宅起訴されている。〔共同〕