英BBCは14日、デンマークの首都コペンハーゲンで表現の自由を巡る会合中に銃撃があったと報じた。会合には駐デンマーク仏大使のほか、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を描いたとして物議を醸した漫画家も参加していたという。
銃撃され、窓に弾痕が残るカフェに到着した警官ら(14日、コペンハーゲン)=ロイター
銃撃犯は2人で約40発の弾丸を発射し、その後逃走したという。BBCによると、少なくとも市民1人が死亡し、警官3人が負傷した。ロイター通信によると、仏大使やスウェーデン人漫画家のラーシュ・ウィルクス氏にけがはなかった。
ウィルクス氏は2007年にスウェーデン紙で預言者ムハンマドが犬の体を持つ風刺画を発表したことで知られる。それを機に過激派「イスラム国」の前身組織が同氏殺害に懸賞金をかけ、同組織のバグダディ指導者がウェブサイト上で10万ドルを支払うと表明。掲載紙の編集長を殺害した者にも5万ドルを払い、謝罪がなければスウェーデンの企業を攻撃すると警告していた。
1月にパリで発生した仏風刺週刊紙襲撃事件を巡っては、預言者ムハンマドの風刺画掲載を表現の自由と擁護する仏など欧州諸国の論調に対して、イスラム教徒の間で激しい反発が起きていた。