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推理ボードゲーム「マーダーミステリー」が1650億円突破 人気の秘密は?

作者:佚名  来源:人民网   更新:2021-3-5 15:29:34  点击:  


(写真著作権は東方ICが所有のため転載禁止)


舞踏会のさなかに、突然殺人事件が起こり、参加していた数人に容疑がかかる。手掛かりをひとつひとつ丁寧に分析していくと、「真犯人」と犯行に至るストーリーが徐々に浮かび上がってくる……これが今、若者に大人気の推理ボードゲーム「マーダーミステリー」の内容だ。ゲームの中で、プレイヤーはそれぞれにシナリオを持ち、ゲームが設定したプロットに沿って、事件を解決したり、解決までの過程を楽しんだりする。このゲームはどれくらい人気なのだろうか。試算によると、現在、中国での市場規模は100億元(1元は約16.5円)を超え、全国のオフラインでプレイできるゲーム店は2万ヶ所に迫り、プレイヤーは5千万人以上いるという。北京だけでも、ゲーム店は2019年の400店あまりから現在は4千店以上に増加した。


「映画の登場人物になりきる」のは映画を見るより夢中になる


「カラオケはとっくに飽きたし、ホームパーティスペースももう目新しくない。友人たちと集まる時、食事をして話をする以外に、面白そうなことがなかなか見つからなかったところに、マーダーミステリーが登場した」と話す蘇江龍さんはマーダーミステリーの大ファンで、18年から週末のほとんどを友人たちとともにこのゲームで過ごしている。


蘇さんのように、マーダーミステリーに夢中になる若者がどんどん増えている。何剣鋒さんは18年からオフラインゲーム店「推理館」を経営し、今では支店も開設しただけでなく、スタジオを作ってオリジナルの推理ゲームの制作も手がけ、全国に売り出している。スタートした時にはニッチ市場だったゲームが、今や友人と集まる時や仕事で親睦を深める時の人気アイテムになり、ゲーム店は週末になると予約でいっぱいだ。


マーダーミステリーは「殺人事件の謎」とも呼ばれ、西洋のパーティゲームの流れをくむものだ。テレビのバラエティ番組「明星大偵探(スター大探偵)」の流行に伴って、17年にマーダーミステリーも人気が出始めた。それから数年が経ち、今ではオフラインゲーム店もあれば、オンラインのスマートフォンアプリもある。オフライン店には、ボードゲームのスタイルで遊ぶところもあれば、巨額を投じてストーリーに合った内装を施し、プレイヤーに貸衣装などのサービスを提供して、より一層ゲームの世界に浸れるようにした店もある。


現在、北京のオフラインでのマーダーミステリー消費額は1人あたり平均70元から500元とさまざまだ。注目されるのは、朝陽大悦城、三里屯、五道口などの若者が集まるエリアには、マーダーミステリーのゲーム店が特に密集していることだ。いくつかの店を取材したところ、週末になるとどのゲーム店のどの回もほぼ予約でいっぱいになり、特にリアル体験型の店とオリジナルの人気シナリオがある店は、1週間前から予約しなければ入れないということがわかった。


マーダーミステリーはなぜこんなに人気か?


「若者のレジャー・娯楽はオンラインへの依存度が非常に高いうえに、オフラインでは新鮮味のある社交の方法が見当たらない」。大学を卒業して1年ほどになる柳芸さんはこのように述べた上で、「自分は恥ずかしがりで内向的な性格だったが、マーダーミステリーのリアル体験の中でキャラクターになりきる『演技の才能』があることがわかり、自分をますます解放するようになって、性格がずいぶん明るくなったし、共通の話題を共有できる特別な数人の友人とも知り合えた。若者の推理欲や役者魂を満足させるというのは1つの側面に過ぎず、より重要なのは家にこもる生活の呪縛から私たちを解き放ってくれることだ。こうしたオフラインの付き合いの新スタイルをとても楽しんでいる。現在、マーダーミステリーを楽しむために毎月1500元以上をつぎ込んでおり、これにはもちろん、他のプレイヤーたちと集まって食事をする費用なども含まれている。自分の月収9千元あまりの中でこの出費は小さいとはいえないが、なんとかなる。楽しければそれでいい」と話した。


マーダーミステリーが爆発的な人気になると、業界には大勢の起業家が参入した。その中には、何さんのようにゲーム店をオープンした人もいれば、ボードゲームデザイナーをしていた人や有名な作家でオリジナルゲームの制作や販売に乗り出した人もいる。


何さんは、「今年の春節(旧正月、今年は2月12日)には今いるところで春節を過ごした人が多かったことから、マーダーミステリーが爆発的な人気になったとみられる。若者には社交という硬直的需要があることから、マーダーミステリーには非常に大きな可能性があり、市場規模100億元はスタート地点に過ぎないといえる。このほかたくさんの映画・テレビ、文化・旅行、クリエイティブ関連の企業もこの新興業界に注目し始めており、この分野に参入しようとする意図がうかがえる」という。杭州棲金科技有限公司の李朶拉・文化娯楽プランニングディレクターは、「マーダーミステリーの業界は今、シナリオを購入し、小さな店をレンタルで経営するという低ハードルの段階から、キャラクター化、大規模化、モデルイノベーションといった方向へと徐々に発展している。私たちもこの市場に注目しており、今後はマーダーミステリーをめぐるレースにより多くの資本が注入されるようになるだろう」との見方を示した。(編集KS)


「人民網日本語版」2021年3月4日


 

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