【ニューヨーク=共同】国連安全保障理事会は15日、イエメンで政権掌握を一方的に宣言したイスラム教シーア派系の武装組織「フーシ派」に対し、制圧した政府機関から即時無条件に撤収し、国連仲介の和平交渉に応じるよう要求する決議案を全会一致で採択した。
履行されない場合、安保理が「さらなる措置」を講じる用意があると表明している。1月に暫定大統領辞任を表明したハディ氏を軟禁状態から解くことも求めている。
また、イエメン南部に拠点を置く国際テロ組織アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」によるテロが相次いでいることを非難。政情不安に乗じて勢力を増しかねないとの懸念も表明し、関わりのある個人や組織を国連の制裁対象に追加する用意があるとしている。
フーシ派はシーア派系ザイド派に属する。昨年9月にイエメンの首都サヌアに進撃、今年1月には大統領宮殿を制圧。今月6日、議会を解散し、政権を掌握したと一方的に宣言した。