北海道新幹線の開業を来年春に控え、有志の北海道函館市民が観光客に街の歴史を紹介するガイドブック「150枚の画像が語る 幕末・明治の国際都市ハコダテ」を製作した。新幹線の開業を「第2の開港」と位置付け、外国人向けの英語版も発行する準備を進めている。
ガイドブックは64ページ。江戸末期以降の街の発展や、国際交流の歴史を丁寧にひもといた。カラーの古地図や写真も多数盛り込まれている。
約1年かけて本を編集したのは「はこだて外国人居留地研究会」。2007年6月に発足し、現在は自営業者や高校教師ら歴史好きの約40人が活動している。
発足メンバーの一人で輸入雑貨店を営む清水憲朔さん(68)は数人で始まった活動の当初を振り返り「古地図で建物や船を見ても、何なのか分からなかった」と笑う。図書館などで資料をあさり続けた成果は、今回のガイドブックにも生かされている。
ガイドブックは800円(税込み)で3月上旬には市内の書店に並ぶ。清水さんは「新幹線が開業すれば国内外の旅行者は増えるだろう。多くの人に本を手に取ってもらい、街の歴史を知ってもらえれば」と話している。
〔共同〕