安倍晋三首相は19日、首相官邸で米共和党のライアン下院歳入委員長と会談し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉を今春に妥結させるのが重要だと確認した。ライアン氏は通商交渉で大統領に強力な権限を与える貿易促進権限(TPA)法案を春に米議会で採決し「双方に利益となる形で交渉をまとめたい」と述べた。
首相は「TPPをはじめ幅広く骨太な経済関係のさらなる深化は両国にとって有益だ」と表明。ライアン氏は「TPPは日米両国の通商関係を強化するのみならず、地域の貿易拡大に資するルールづくりのまたとない機会だ」と応じ、妥結に向けて協力すると伝えた。
通商問題を扱う歳入委員会で委員長を務めるライアン氏はTPP交渉の進展のカギを握る一人。元副大統領候補で共和党のホープとされる。オバマ政権にとっては米議会の上下両院で過半数の議席を持つ共和党の協力が不可欠だ。
首相は今年が戦後70年にあたるのを踏まえ「両国は戦後和解して強固な同盟国となり世界の平和と繁栄に協力してきた」と指摘。「今後も積極的に貢献していきたい」と強調した。