「虫をよせつけない」などとうたった空間用虫よけ剤の表示は根拠が不十分で景品表示法違反(優良誤認)にあたるとして、消費者庁は20日、大手4社に再発防止などを求める措置命令を出した。
措置命令を受けたのはアース製薬、興和、大日本除虫菊、フマキラー。対象の製品は「バポナ 虫よけネットW」「ウナコーワ虫よけ当番」「虫コナーズ」「虫よけバリア」など計30種類。不当な表示による売上額は少なくとも4社合計で190億円に上るという。
空間用虫よけ剤は、玄関やベランダにつるし、ピレスロイド系薬剤を徐々に空気中に放出させる仕組み。チョウバエやユスリカといった人に直接危害を与えない「不快害虫」を対象としている。
消費者庁によると、「いやな虫をシャットアウト」「軒下につるだけ」などといった製品表示について根拠を求めたところ、各社は風通しを十分考慮しないなど特定の環境下で行った結果を提出。人の出入りがある場所や風通しがよい空間では、薬剤が一定の範囲にとどまらない可能性があることも踏まえ、同庁は根拠が不十分だと判断した。
アース製薬、興和、大日本除虫菊は「措置命令を真摯に受け止め、誤解のない表示に改める」などとコメントした。
フマキラーは「指摘された問題は表示の一部に関するもので、虫よけ効果が否定されたものではない。表示はすでに変更を完了しており、今後も販売を継続することに問題はない」としたうえで、「措置命令の内容を精査し、不服申し立てを行うか否かを含め対応を決定する」とした。