中東・アフリカ7カ国からの入国を一時禁止したトランプ米大統領の大統領令をめぐり、米国へのテロの危険性をどこの国民であるかに基づいて決めるのは「疑わしい指針」だと、国土安全保障省が文書で指摘していることがわかった。文書を入手したAP通信が24日、伝えた。7カ国を名指しした正当性が改めて問われそうだ。
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この文書は、トランプ氏が同省に作成を求めた報告書の草案。7カ国の国民が、テロの脅威となりうる根拠が不十分だと指摘している。さらにシリアで戦闘が始まった2011年以降、米国内でテロ行為などに関わった7カ国の国民はわずかで、シリア人に関しては一人もいなかったとしている。
トランプ氏は1月27日、テロの懸念があるとして7カ国を指定し、一部の例外を除いて90日間、入国を禁止した。しかし、連邦地裁が大統領令の主要部分の効力を停止し、控訴裁でも政権側の不服が退けられた。