【ニューデリー=岩城聡】バングラデシュの反汚職特別裁判所は25日、野党バングラデシュ民族主義党(BNP)党首のジア元首相に対する逮捕状を出した。ハシナ首相とジア氏は1990年代から首相を交互に務めてきた政敵同士。ハシナ政権は、ジア氏が反政府活動を主導しているとして事実上の軟禁状態に置いていた。野党側の反発がさらに強まるのは必至だ。
地元メディアによると、ジア氏は慈善事業に絡む汚職事件で訴追されており、25日に出廷を命じられていたが、安全上の理由から出廷を拒否した。昨年の総選挙では野党がボイコットしたため、ジア氏は「現政権には正当性がない」として首相との対立を深めてきた。同国には「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングなど繊維関係を中心に220社以上の日系企業が進出している。