【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)は25日、世界全体の温暖化ガスの長期的な削減目標を発表した。これに合わせて日本については2030年に10年比で30%前後の削減が必要になるとの分析も公表した。日本政府は20年以降の削減目標を表明しておらず、同試算は日本国内でも議論を呼ぶ可能性がある。
EUの執行機関である欧州委員会が、今年末にパリで開催される第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向けた政策文書を発表した。
米国に対しては「30年までに05年比で43%の削減が必要」と指摘した。最大の排出国である中国は国内総生産(GDP)あたりの二酸化炭素(CO2)排出量を05年比で70%超減らさなければならないとした。中国は30年にCO2の総排出量を減少に転換させるとの目標を示しているが、不十分との認識を示唆した。
EU自身は温暖化ガスの排出量を30年に1990年比で少なくとも40%削減する目標を掲げている。