政府は10日、高齢ドライバーの事故減少などを目指す道路交通法改正案を閣議決定した。75歳以上のドライバーが一定の交通違反を犯した場合、記憶力や判断力を測る臨時の認知機能検査を義務付けることが柱だ。施行は公布日から2年以内。
臨時の検査の結果、判断力など認知機能が低下していれば、高齢者講習を受けてもらう。認知症を患っている可能性が高い場合、医師の診断書提出を求める。医師が実際に認知症と診断すると、免許証の停止・取り消し対象になる。
検査を求める交通違反については、信号無視や道路の逆走などを想定している。
現行法では、75歳以上のドライバーは、3年に1度の免許更新時に認知機能検査が課されているが、その後は次の更新時まで検査を受けなくてもよかった。
警察庁によると、免許保有者10万人あたりの交通死亡事故件数は、75歳以上のドライバーは75歳未満の約2.5倍に上っている。同庁は「高齢化に伴い認知機能が低下すれば、事故のリスクが高まる」としている。
また改正案では、車両総重量3.5トン以上~7.5トン未満の「準中型自動車免許」を新設する。受験資格は18歳以上。