政府は10日、水銀被害の防止を目指す「水銀に関する水俣条約」の批准に向け、蛍光灯など水銀使用製品の製造を原則禁止する新法案と、大気汚染防止法改正案を閣議決定した。今国会に提出し、成立する見通し。環境省は年内の条約批准を目指している。
新法案の名称は「水銀による環境の汚染の防止に関する法案」。水銀が適正に保管されるようルールを定め、事業者に国への定期報告を義務づける。水銀の採掘や、水銀を使った金の採取も禁止する。
廃棄時の分別・回収を促すため、水銀が含まれる製品は本体や説明書に表示するよう製造業者に努力義務を課す。
大気汚染防止法改正案は、石炭火力発電など大気への排出量が多い施設に規制を導入、基準順守を義務づける。
水俣条約は2013年10月に熊本市で開かれた国際会議で採択され、発効には50カ国の批准が必要。水銀を含む体温計や電池などの製造、輸出入を20年までに原則禁止する。米国など10カ国が既に批准している。〔共同〕